クルマの異常を連ラクダ!
トレーラ(中期ブレーキ規制以降)のブレーキ利き不良にご注意ください!
オートマチック・スラック・アジャスタとは
オートマチック・スラック・アジャスタは、2000年7月(中期ブレーキ規制)から装着された、ブレーキ・ライニングとドラムとの隙間を自動的に調整し、ブレーキの利き具合を最適化する装置です。
オートマチック・スラック・アジャスタに負担のかかる条件
中期ブレーキ規制以前、停車時におけるブレーキ操作は、トレーラ・ブレーキ・レバーで行う場合がありました。中期ブレーキ規制以降、ブレーキ操作系の変更に伴い、停車時におけるブレーキ操作は、トラクタの駐車ブレーキ・レバーで行われる場合があり、この操作を多用される場合や登り降りの頻繁な走行等ではオートマチック・スラック・アジャスタやブレーキ・カム・シャフト等に負担がかかり、故障する場合があるため『シビア・コンディション時の点検』が必要です。点検整備を行うことにより、これらの性能維持や故障時の早期発見が可能となります。
シビア・コンディションとは
シビア・コンディションとは、標準的な使われ方より厳しい条件で使用された場合をいいます。
悪路(凹凸路、砂利道、雪道、未舗装路等)
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走行距離の30%以上が次の条件に該当する場合 ・運転者が体に衝撃(突き上げ感)を感じる荒れた路面 ・車体が左右に振られる荒れた路面 |
走行距離が多い |
・走行距離が多い場合(目安) 10,000km以上/月 |
山道、登り降りの頻繁な走行 |
走行距離の30%以上が次の条件に該当する場合 ・登り降りが多く、ブレーキの使用回数が多い場合 ・車体が左右に振られることが多い場合 |
トラクタの駐車ブレーキの多用 |
渋滞、荷役待ち等で駐停車の回数が多く、牽引自動車の駐車ブレーキを多用(20回/日前後)する場合 |
オートマチック・スラック・アジャスタの点検整備
オートマチック・スラック・アジャスタの性能を維持するため、下表のとおりオートマチック・スラック・アジャスタ本体及び関連部位の点検を行い、異常がある場合には部品交換など、適切な整備を行ってください。
⇒ブレーキ機器の点検整備は、専門のサービス工場(認証工場)で受けてください。
○:メーカ指定項目 ◇:シビア・コンディション項目 ●:法定点検項目
点 検 項 目 | 点 検 整 備 時 期 | |||
点検箇所 | 点検内容 | 1ヶ月ごと | 3ヶ月ごと | 12ヶ月ごと |
ブレーキ・チャンバ | ロッドのストローク | ◇ | ● | ● |
オートマチック・ スラック・アジャスタ |
給油脂 | ◇ | ● | ● |
機能 ※ | ◇ | ○ | ○ | |
ブレーキ・カム・シャフト | 摩耗及び損傷 | ◇ | ○ |
「自動調整機能の点検」及び「アジャスト・スクリュー回転トルクの点検」が含まれます。
ブレーキ装置概要 |
オートマチック・スラック・アジャスタの給油脂 及びブレーキ・カム・シャフトの点検 |