平成19年路上故障車両の実態調査結果

国土交通省では、昨年に引き続き(社)日本自動車連盟（JAF）の協力により「一般道路」及び「高速道路」における路上故障車両の故障調査（平成19年9月～11月の3か月間）を実施しましたので、その調査結果を表1、表2に示します。

表1の「一般道路」の装置別の調査を見ると、①電気装置 51.7%（前年50.5%）、②冷却装置 16.7%（前年17.2%）、③動力伝達装置 8.4%（前年8.5%）と昨年と比べ大きな変化はなく、依然、電気装置の故障発生割合が高いものとなっています。また、「高速道路」では、①冷却装置 23.2%（前年23.4%）、②電気装置 17.9%（前年16.7%）、③走行装置 15.9%（前年12.0%）と昨年に比べ走行装置の故障発生割合が3.1ポイント高いものとなっています。

このように、「一般道路」と「高速道路」では、故障発生状況にはっきりした相違が見られます。

次に、詳細に車両故障発生部位を分析し、整理したものが表2です。

「一般道路」について見ますと、①バッテリ 17.3%（前年17.1%）、②オルタネータ 13.3%（前年12.5%）、③スタータ12.9%（前年12.0%）と昨年と比べ大きな変化はなく、依然、バッテリの故障発生割合が高いものとなっています。

また、「高速道路」については、①タイヤ 14.9%（前年10.5%）、②オルタネータ 7.7%（前年7.1%）、③潤滑油 7.6%（前年8.0%）と昨年と比べタイヤの故障発生割合が4.4ポイント高いものとなっています。

表1　道路別装置別故障発生件数

No.	装置名	発生件数
		一般道路	高速道路
1	電気装置	9,221(51.7)	336(17.9)
2	冷却装置	2,980(16.7)	435(23.2)
3	動力伝達装置	1,495(8.4)	183(9.7)
4	燃料装置	1,129(6.3)	71(3.8)
5	エンジン本体	625(3.5)	236(12.6)
6	電子制御装置	594(3.3)	80(4.3)
7	走行装置	428(2.4)	299(15.9)
8	潤滑装置	311(1.7)	171(9.1)
9	制動装置	177(1.0)	5(0.3)
10	かじ取り装置	143(0.8)	9(0.5)
11	緩衝装置	105(0.6)	4(0.2)
12	その他	621(3.5)	50(2.7)
総　計		17,829(100.0)	1,879(100.0)

（）内は構成比%

表2　道路別故障部位別発生件数（1.一般道路）

順位	部位	発生率	主な故障状況
1	バッテリ	17.3%	破損、劣化 端子部接続不良 液不足
2	オルタネータ	13.3%	ブラシ不良 レギュレータ不良 ダイオード不良 コイル断線
3	スタータ	12.9%	リレー不良 端子部接続不良 かみ合い不良 イグニッションスイッチ不良
4	ファン・ベルト	5.6%	緩み、切れ 電動ファン不良 ファン破損
5	フューエルポンプ	5.0%	ポンプリレー不良 バルブ不良 配線不良 ダイヤフラム不良
6	ラジエータ	4.4%	破損、腐蝕 サーモスタット不良 キャップ不良 ドレンコック不良
7	トランスミッション(A/T)	3.9%	ギヤ操作不能 オイル漏れ 異音 オイル不足
8	ディストリビュータ及びイグニッション・コイル	3.5%	イグナイタ不良 デスキャップ・ロータ不良 コイル・コンデンサ不良 ポイント不良
9	クラッチ	3.3%	すべり オイル漏れ ワイヤ(リンク)不良 切れ不良
10	ラジエータ・ホース	3.2%	破損、劣化 取付不良

表2　道路別故障部位別発生件数（2.高速道路）

順位	部位	発生率	主な故障状況
1	タイヤ	14.9%	パンク 空気圧
2	オルタネータ	7.7%	ブラシ不良 レギュレータ不良 ダイオード不良 コイル断線
3	潤滑油	7.6%	オイル不良 オイルパンからの漏れ
4	ラジエータ	6.7%	破損、腐食 サーモスタット不良 キャップ不良 ドレンコック不良
4	バッテリ	6.1%	破損、劣化 端子部接続不良 液不足
6	ファン・ベルト	5.8%	緩み、切れ 電動ファン不良 ファン不良
7	ピストン、コンロッド及びクランクシャフト	5.8%	メタル焼付 異音
8	冷却水	4.6%	不足 汚れ
9	クラッチ	4.1%	すべり オイル漏れ オイル不足 異音
10	バルブ機構	4.0%	バルブ破損 タイミングベルト切れ 異音